「…九条くんのわがままじゃん」

「九条くんじゃなくて、『万里』って名前で呼んでよ!」


『もしくは、万里の長城でもいいよ♪』なんて、楽しく言ってる場合!?

あたしの話なんて、聞いてないし…。


「とにかく、あたしは名前でなんて呼ばないし。一緒にも帰らないから!」


あたしは美咲と淳史くんの腕を引っ張って、教室をあとにした。