ice rain ~冷めた恋~




鍵をあける音も

扉が開く音も聞こえないくらい

ゆっくりとナオが俺の部屋に入ってきた



俯いたまま、酷く落ち込んだ様子で


「透‥ごめん」


そう何度も呟いた



「何がごめんなの?」

「‥‥」

「ナオ?」

「産まれちゃう‥」

「は?」


ナオは涙を流しながら俺を見た


こんなナオ、初めて見た


「透と愛美ちゃんの赤ちゃん‥産まれちゃう‥」


「どうゆう‥こと?」


愛美の腹に俺の子供がいるの?


「愛美ちゃんが透の前からいなくなったのは‥お腹に子供がいたから‥」

「なんで‥‥」