「綺夜の風邪なら、移ったっていい。」
湊都は私の頬に手を添えたまま言う。
「綺夜は弱くなんかないよ?すごく優しいし、すごく強い。」
「そんなこと…」
「俺に気なんて使わなくていいのに…。言ったよね?もっと甘えていいんだよ、って」
私はもう十分
湊都に甘えてるよ…。
「もっとわがまま言っていいし、もっと俺を頼ってよ!」
ぐっと手に力が入るのがわかる。
「俺は傷つかないから。だから、もっと思ったことを言っていいんだよ!?」
そう力強く言ってくれた湊都に、私はまた泣けてしまって。
「湊都、傷付いてないの…?」
「うん。俺より、綺夜が心配。綺夜は…大丈夫?」
「私は、湊都がいてくれればそれでいいもん…っ」
また泣く私の頭を優しく撫でてくれた。

![Rainbow Love Story [短編集]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.778/img/book/genre1.png)