Glacial HEART [短編]



「何泣いてんの…」



と、湊都は困った顔をする。



そんな顔させてごめんね?

胸が苦しくなって…また熱が上がっていくのがわかる。



「迷惑なわけない…っ」



口から出たのは私の弱さ。



「え…?」



「さっき言ったことだって、全部全部嘘なんだから…。」



何を口走ってるの?私…



「ほんとは、湊都が付いててくれたこと、嬉しかったっ…鞄用意してくれたり、送るよって言ってくれたり、全部嬉しかった…っ」



それなのに私は…



「…っそれを、知らないふりしたの。私、最低ー…っ」



湊都の優しさを踏みにじった。



「必要ないなんて言ったのに、湊都は優しいから…苦しくて…。」



湊都の優しさに甘えていた私。



「ほんとは全部、ありがとうって言いたかったよ?でも、私が弱いから…」



弱くて弱くて、あなたの優しさを素直に受け取れない。



「ひどいこといっぱい言って湊都を傷つけちゃって…
ごめんなさい…っ」



私は最低なことをした。