「何泣いてんの…」
と、湊都は困った顔をする。
そんな顔させてごめんね?
胸が苦しくなって…また熱が上がっていくのがわかる。
「迷惑なわけない…っ」
口から出たのは私の弱さ。
「え…?」
「さっき言ったことだって、全部全部嘘なんだから…。」
何を口走ってるの?私…
「ほんとは、湊都が付いててくれたこと、嬉しかったっ…鞄用意してくれたり、送るよって言ってくれたり、全部嬉しかった…っ」
それなのに私は…
「…っそれを、知らないふりしたの。私、最低ー…っ」
湊都の優しさを踏みにじった。
「必要ないなんて言ったのに、湊都は優しいから…苦しくて…。」
湊都の優しさに甘えていた私。
「ほんとは全部、ありがとうって言いたかったよ?でも、私が弱いから…」
弱くて弱くて、あなたの優しさを素直に受け取れない。
「ひどいこといっぱい言って湊都を傷つけちゃって…
ごめんなさい…っ」
私は最低なことをした。

![Rainbow Love Story [短編集]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.778/img/book/genre1.png)