Glacial HEART [短編]




私は湊都の目を見ることもなく、保健室を出た。



校門を出て、数歩歩いて後ろを振り返る。



日は落ちかけてて、辺りは薄暗くなっていた。



湊都の姿は…ない。













いないとわかると、体を支配していた緊張が一気にとけた。



歩き始めたことで、どんどんだるくなる体と、頭痛。





でも、そんなことが気にならない程に私の心を蝕む罪悪感。





…湊都を傷つけた?



当たり前だよね。

追いかけて来ないのが何より証拠。

あんなに優しい湊都のこと…。



涙でなのか熱でなのか、歪んできた視界。