「退いてって言ってるの。」
私が傷つかないために。
今までたくさんの人を…こうして傷付けてきた。
「早く帰らせてくれない?」
思ってもない言葉が、次々出てくる。
「別に湊都がいなくても帰れるって言ってるじゃん」
あなたは何を言ったら傷付くかな?
これで離れてくれる?
「湊都なんて…」
だとしたら安心出来る。
大好きなあなたに、離れていってほしくない。
だから、ここで、突き放す。
「必要ないから。」
私を見捨てていいよ。
優しくしなくていいから。
風邪移しちゃうのもやだし。
優しくされるのも怖くて嫌。
弱い弱い私は、
あなたを傷付けることしか出来ない。
あなたに、何も返せないから。

![Rainbow Love Story [短編集]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.776/img/book/genre1.png)