4時間目から寝てたはずなのに全然よくなってない体調。
先生が着替えさせてくれたのか、ありがたいことに制服姿になっていた。
着替えるのすらつらいって…。
今よく歩けてんな、なんて思う。
そんなことをガンガンする頭で考えてたら湊都に行く手を阻まれた。
「だめだよ。」
いつになく真剣な顔の湊都。
「大丈夫だって。ちょっとボールの辺り所悪かっただけだよ?」
少し笑って言ってみたのに。
「熱もあるんでしょ?先生が言ってたし、見てればわかる。」
湊都はにこりともしない。
優しくしないで…。
「ないって!…だから、そこ退いて?」
私も真顔で返して、通り抜けようとした。
でも、湊都は退く気がないみたい。
「なんで?なんで逃げるの?綺夜」
「……」
湊都は、傷付けたくなかった。
でも、そろそろけじめをつけなきゃ。

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