そう言うと少し寂しそうな顔をして
「あ、ごめんね?手…。」
と振り払った手を見て湊都は言った。
別に、手を繋ぐのが嫌だったんじゃないの。
湊都は悪くないのに…
「大丈夫…。あ、私もう帰るね?」
この場にいるのがつらい…。
体調的にも…気持ち的にも。
本当は
「付いててくれてありがとう」
って言いたいんだけど。
これ以上深入りさせちゃだめだと思うから。
そう言って立とうとしたら、ぼすっとベッドに座らされた。
「今日は送るから!無理して急がなくていいよ!!」
と湊都は私をまっすぐに見て言った。
急に座らされただけで頭がくらくらしたんだけど。
「なに〜湊都。そんな心配しすぎだって!もう大丈夫だから!」
そう言って今度こそ立ち上がる。
近くに、湊都が詰めてくれたであろう鞄が置いてあった。
それを掴むと、保健室の先生もいないしさっさと出ようとした。

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