「…じゃーん☆」
と言って湊都が、ふたを開けるとおいしそうに湯気が立ち上る。
「わ…!」
おかゆなんて…
何年ぶりかな…?
「熱いと思うから、気をつけて食べてね?」
と、小皿を渡してくれる。
「……うん」
言いたいことはたくさんあるのに、いざ口にしようとすると消えてしまう言葉たち。
何も言わずに一口食べると、湊都が作ってくれたおかゆの温かさに、気づけば涙が出ていて。
「どしたの!?綺夜?」
湊都はまた泣く私にあたふたしてて。
「…おいしいよ…湊都っ」
精一杯そう言うと
「ありがとう♪」
と微笑む湊都が居て。
私は、湊都に話してみようと思えた。

![Rainbow Love Story [短編集]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.763/img/book/genre1.png)