Glacial HEART [短編]



「…え、な…んで…?」



私はうつ伏せのまま、上半身だけを持ち上げていた。



「綺夜のこと心配で、帰れるはずないじゃん!それなのに、また正直に言ってくれないんだから…」



ベッドまで来て、しゃがんでこっちを見る。
私はベッドの上に座った。



「…今まで。どこにいたの?」



私は湊都が言うことを無視して、質問し返す。



「え、どこって…あっちのソファだけど。あ、ごめん。勝手に家の中歩いちゃって…」



申し訳なさそうにそう言うから、私は思わず湊都を抱きしめた。



「そんなこと…!どうだっていいよ…!」



湊都はびっくりして固まってる。



「ソファでなんて寝たら…。風邪ひいちゃうよ…。」



そう。
電話をかけたときに湊都は寝起きの声だった。



私のせいで風邪なんてひいたら…と思うといてもたっても居られない。



思わず、さらにぎゅっと手に力が入った。



それを湊都は優しくほどいて