放課後バトン部の練習を終え 

体育館から出ると

外の冷水機の前に薫がいた


「あっあの子サッカー部に入ったんやなぁ~

悪そうやのに意外~!!」


理香が言った

隣のクラスの理香はあまり薫の事は知らない


「そうらしいよ・・・前の学校では

クラブなんかあほらしいって感じで

バイク乗って遊び回ってたみたいやけど!!」


「でも最近変わったよな~

もうピアスもしてないし」


薫は小学生の頃から

クラブチームに入っていたため

実力はかなりのものらしかったが

あまり練習熱心ではなかった


時々前の学校のツレや先輩たちが

薫の帰りを待っていて

そのまま帰る事も多かった



前の学校は繁華街の中にあって

薫の両親も和食のチェーン店を

数多く経営していたため

子供に対してあまり目を向ける事は

出来なかった


夜も3歳上の兄『響』と

二人で残される事が多かった


そうなると家がたまり場になる事は

決まっている


段々と悪い友達が集まるようになり

薫もそういう遊びの楽しさを

知っていくようになった・・・