家に戻った真琴は今日一日の事が 

まるで夢の中の出来事のようで 

なかなか寝付かれずにいた


思いかえすとまだ胸が高鳴る



(いつの間に拓の事 

こんなに好きになったんやろう

拓はいつから私の事が

好きやったんやろう・・・)




昨夜の出来事は本当は

夢だったのかも知れない

いや・・・夢で終らせなければならない


なぜなら・・・私には・・・薫がいる


今でも拓の事が忘れられないで

苦しんでいる親友の祥子がいる


(自分ひとり幸せになる事なんかできへん

薫はどうなるん? 

意識が戻ったら 私を向かえに

来てくれるんやもん 


祥子はどうなるん? 私を信用して

あれこれ相談してくれた

祥子の気持ちは・・・)



一度は封印した気持ちを今さら・・・

できなかった


あれは夢・・・現実を見よう


拓の事もこれ以上傷つけてはいけない


(あの子は大丈夫・・・

きっとモテるし私の事なんか

すぐ忘れるよ・・・昨夜も 

ほんの気まぐれやったかも知れへんし)



拓は気まぐれであんな事する子ではない

そんな事 

真琴が一番分かっていたのに・・・




敢えてそう思う事で

自分の『想い』にけりをつけた