小春日和の暖かい冬だった


お昼過ぎに二人は薫のお墓にやってきた



お墓の周りを掃除し墓石も丁寧に拭く


お花を替えてロウソクを点け

お線香を焚いた




愛する者を失うという過酷な試練で

何度も自分を失いかけながら


やっとの思いで見つけた

かけがえのない存在が拓だった



悲しい過去を持つ愛しい女性を思い

自分を犠牲にしてまでも

守り抜きたいと思える存在が真琴だった



二人は手を合わせ祈りを捧げた


そして薫に誓った…




(薫…愛するものを残して旅立った事は

さぞ無念やったやろぅ…


でもこれからは俺に任しといてくれ!


絶対真琴を幸せにする

・・・・・誓う!


今まで有難う、安らかに眠ってくれ!


そして俺らの事…

天国から見守っててくれ!)




(薫…今まで心配かけたけど

もう安心して!


私の運命の人は“拓”やったんかなぁ


薫と出会って恋して…

本当に幸せやったよ


でもこれからはここにいる拓と

絶対幸せになる!


どうか二人を見守っててね…)





薫は太陽のように強く明るく


二人を照らしていた




そして夜になると穏やかな星になり


優しく二人を包んでくれる…



きっと永遠に……





See you again