「お疲れ様…」

孝介が塔子と黎子の元にカクテルを持って

その席に座った


「孝介、今日は有難う!

あの子らも楽しかったと思うわぁ~」


「どういたしまして~

塔子と可愛い弟君の頼みやからな!」




(黎子さんを向かえに行く…)

黎子は恭二の言葉を思いだしていた



「まぁもうちょっとゆっくりしてって~」

孝介が席を外した



塔子は黎子に謝るつもりだった


弟が強引に黎子に迫っていたと思っていた



「黎子さん、すみません…

さっき化粧室出た時に見てしまったんやけど…」



一瞬黎子の顔色が変わった

あの抱擁を見られていた


もう黙ってはいられない



「塔子ちゃん…笑わんと聞いてくれる?」


黎子は恭二に告白された事


そしてそんな恭二の事を

好きになってしまった自分の気持ちを

素直に話した


「自分が情けないわ…

こんなオバサンやのに」


塔子には意外だった


恭二はともかく黎子も恭二に

思いを寄せているなんて…


「塔子ちゃん…

今すぐにどうこうってないんやけど


私恭二君の事待ちたいと思う

もう少しだけ彼が大人になるまで…」


「有難う黎子さん

私は全然賛成やし…!


あいつアホばっかり言うてるけど

なかなかええヤツやねん!

結構しっかりしたとこもあるし~」


「よかった~塔子ちゃんに

怒られると思ったわ~」


「まさか!大歓迎ですよ~

恭二が一人前になるのはまだまだ先に

なると思うけど…」



「うん、わかってる…

それまで私が支えていくつもり!」


黎子は可愛い彼氏が成長する姿を

楽しみに待ちたいと思った