去年の屈辱を晴らした事

春夏連続で甲子園出場を決めた事を

拓は誇りに思っていた


煮え切らない夕貴の態度も

こんな自分を見て変わってくれると思った


まさか自分の輝きが夕貴を苦しめているなんて

思いもよらない事だった


(何で連絡してけえへんねん…

なんか怒ってんかなぁ?

ってか俺なんか悪い事したか?)


答えは見つからない…


大人で美人な夕貴はもう自分には

飽きてしまったのかとも考えた


(今まで付き合ってきた男もみんな年上

夕貴はガキの俺の相手はできへんってか…?)


拓の心は真琴を失ったときのように

空虚感で一杯になった