拓が彼女と付き合いだした事は

理香から聞いて知っていた



やはり真琴の心は穏やかではなかった


でもこれも自分が決めた事



薫の影に囚われている自分には

拓を引き止める資格はない



そしてそれを望んでいたはずだった


もう二度と拓に逢う事はないかも知れない



(拓…拓の活躍を遠くから見てるよ…)





拓は夕貴を選び

真琴は拓を忘れる…



それぞれの選択で

それぞれの新しい道を歩き始めた



新緑の薫る爽やかな五月の事だった