拓は何も持たず家を出た

自然と向かったのはあの公園…


自暴自棄で自分を失った拓を

心配して逢いに来てくれた真琴と

初めてキスしたあの公園


公園のブランコに座って俯く

拓の目から涙がこぼれた…


真琴の事を思いキッパリ

諦めようとした拓だったが

本当は後悔で一杯だった


(真琴…俺の力では無理なんか?

真琴にとってそれだけの男やったんか?

二人で乗り越えようとしたんちゃうんか?


それにあの時…

俺を受け入れようとしてくれたのでは

なかったのか…?



二度も同じ理由で振られた拓は

それを真琴に確かめる事ができなかった


拓の心に木枯らしが吹き荒れた


拓に降りかかる冷たい雪も

暖かく感じるほど


拓の心と体は冷え切っていた…