「真琴ちゃんいらっしゃ~い!」


「お邪魔してます~」

私は平静を装い挨拶した


「ただいま!拓、合宿どやった!?」


「どやったもなんも…それより

今日は泊まりやったんちゃうんけ?」


明らかに拓の機嫌が悪い


「大事な息子が帰ってくるのに

今日は先に失礼してきたんよ~」


「いつもおらんくせに…」


「あれ~何怒ってんの?

もしかしてお邪魔やった~!?」


そう言ったかと思うと

ケラケラ笑い出した…


そして一通り合宿の話を聞いた後

今度は自分の新年会の事を語りだした


拓はそんな話は聞きたくないらしい


「真琴~上行こっ!」

そう言って先に自分の部屋に戻った


私はお母さんを無視する訳にもいかず

新年会の話に付き合う


30分くらいして拓の部屋を覗くと

軽く寝息をたてている


やはり疲れていたんだろう…


可愛い拓の寝顔にそっとキスして

私は下におりて行った


暫くお母さんと雑談をしていたが

拓は起きてこない


そのまま寝かせてあげる事にして

お母さんのマイカーで送ってもらった


(もしお母さんが帰ってけえへんかったら

私は拓に抱かれてたんやろな…)


残念なようなホッとしたような

不思議な気持ちだった…


ただ確かに言える事は


『私は拓を愛している』

『誰にも渡したくない…』


そんな強い気持ちを抱いて家に帰った