30分ほどで拓の家へ着いた


前もって電話で真琴が来る事を

告げていたので

お母さんは玄関で出迎えてくれた


綺麗なお母さんだった

拓と姉弟といっても通るくらい

若く見えた


「いらっしゃ~い!

真琴ちゃんって言うの?」


「初めまして…高槻真琴です!」


「拓が女の子連れてきたん

初めてなんよ~!

今日はゆっくりしてってね」


「おかん、いらん事言うなって~

真琴はよ上行こっ!」


そう言って拓は2階の自分の部屋へ


「真琴ちゃん、先にお茶でもどう?」


断る訳にもいかず紅茶をよばれる


「あんなん言うてるけど

今必死で部屋片付けてると思うから

ちょっと待ったってくれる?」


(そういう事か…)


「拓って野球バカやから

私は面白くないねん~

女の子産まれへんかったし…

これから仲良くしよね~!」


天然というか子供のようなお母さんだ

自分の息子の凄さに気付いていない


「こちらこそ宜しくお願いします!」


「真琴~おいでや~!」

拓が上から叫んでいる


お母さんに挨拶をして2階にあがった


拓の母はカルチャースクールで

書道の講師をしていて

あまり家に居ないらしい


旦那さんも不在で

子供も拓だけなので自由が利く


お母さんがとても若く垢抜けているのは

そんな事情のせいだった