わたしは奏さんのことを――― どう思ってたのかな? 本当にお兄さんのように思ってた? 違う…… 一緒に過ごしてた時間は心地がよくて、この関係を壊したくないって思ってただけ。 ずっと一緒にいたい。奏さんの隣にいたい…… 奏さんから離れられなかった理由が、今ならわかる。 歩道に乗り上げてきた車の後部座席にいた奏さんのわたしを真っ直ぐに見つめたその瞳に、あの時に、もう囚われていた。 ―――好き 「わたしは、奏さんが、…好き」