若恋【完】



一階へ下りて行くと、ホールがホームパーティー用に仕上げられて、それは素敵だった。


料理もたくさん。
飲み物もたくさん用意されてて、いかにも手作りって感じで気を遣わなくて雰囲気がすごくいい。



「りおさん、坊っちゃんはこちらです」


エプロンを着けた毅さんが用意してくれた席はふかふかのソファー。


わたしのお父さんお母さん妹が近くに座り、奏さんのお父さん、留恵さんも反対側に座った。


一也さんがグラスにワインを少しずつ注ぎ配る。



「若、やっと来ましたね」


榊さんが周りを笑わせると奏さんも頭を掻いた。



「習字習っとけばよかったなって思った」


みんなが配られたグラスを掲げて奏さんの言葉を待つ。



「俺の息子の誕生を祝い乾杯!」