若恋【完】




「彼女たちが元気でやってるって手紙か?」

仁お兄ちゃんはわたしの表情を見てふたりの様子を察したらしい。



「うん、穏やかに暮らしてるみたい」

「そうか、よかったな」


仁お兄ちゃんはわたしの頭をクリクリと撫でた。


「りおは周りを幸せにしていくんだな」

「え?なに?」

「いや、なんでもない」


目を細めて笑って、スッと脇をすり抜けてまた部屋から出ていった。



「ねぇ、お姉ちゃん、これあげるね」

妹のひかるがソファーに座ってるわたしに四角い包みを差し出した。



「開けてみて」

「うん」


リボンがついた包装紙を剥ぐと大型フォトフレームだった。最新型のでカードを差し込めば次々と写真が変わっていく。



「お母さんと選んだの」


「ありがとう」


ひかるの横にはお母さんが赤ちゃんを抱いてあやしてる。


「うれしい、お母さん」

「たくさん写真撮ってわたしにもちょうだいね」