夕方。
わたしのお父さんお母さん、妹のひかるが早めに来て代わる代わる抱いては奏さんの赤ちゃんの取り合いをしてる。
誰に抱かれてもグズリもせずにいて、時々、くちびるについたものにはチュクチュクと吸い付く。
「かわいいね」
「あたりまえでしょ」
って、みんなで笑う。
わたしの幸せはみんながいてくれてみんなの笑顔と共にある。
それがわたしの幸せ。
「親父たちも来たぞ」
奏さんが告げにきたその後ろにはすでに奏さんのお父さんとお母さんの留恵さんの姿があった。
「りおさん、赤ちゃんの名前を奏ったら教えてくれないのよ」
わたしのそばに来るなりこっそり耳打ちをした。
知りたくて知りたくてウズウズしてる。
「ね、教えて」
留恵さんは目をキラキラさせてわたしを見てる。



