この出会いがなかったら奏さんの持つ優しさには気づかなかったかもしれない。 「わたし、自分のこと何もできないからここにいても邪魔になるだけだから」 「わたしがしばらく看病につくから、心配はいらないわよ」 「お母さん…」 お母さんはわたしが良くなるまでいてくれるって。 その後のリハビリは大神さんにお任せすることにしたらしい。 「いいひとね」 え? 「大神さんのことよ」 「うん」 「りおを安心して任せておけそうだわ」 落ち着いた頃にお母さんがポツリと言った。