「うん」 わたしは頷いた。 「若、りおさん、時間です」 ポケットの中の懐中時計を取り出して榊さんが時間を告げた。 「行くぞ」 わたしに手を伸べる奏さんをしっかりと握り返す。 わたしは奏さんを信じてついていけばいい。 榊さんや仁お兄ちゃんとみんなで一緒に進んでいけばいい。 そう思った。