うん。ごめん。 わたしの我儘で危険なことをしようとしてる。 巻き込んでしまう仁お兄ちゃんにはごめんなさい。 「りお、おまえならやれると思う」 「ん?」 「おまえならやれると言ったんだ」 額に手を乗せてぐったりした仁お兄ちゃんが呟いた。 「ありがと」 「どういたしまして」 力なく笑った口元に胸が痛かった。 わたしの我儘を聞いてくれてありがとう。 ―――ありがとう