若恋【完】



俺のガキがおまえの腹ん中にいるんだろう?


俺のガキがおまえの腹ん中にいるんだろう?


何度も同じ言葉が頭の中に響いてわたしは奏さんを見つめたまま動けなかった。

顎を掬われたまま見つめ合う。



驚いて動けなかった。





「りお、…もう一度聞く。…腹ん中に俺の子がいるんだろう?」



確信してる奏さんの声。

わたしが奏さんにどう話したらいいかを考える前に直球で聞いてきた。



「―――いたんだろう?」




わたしの顎をすくって、その指が震えてた。



いたのか?

いなかったのか?


そう聞かれてることに気づいた。



祈るようにわたしを見つめてわたしの返事を待っている。


わたしのお腹の中にいたのか、いなかったのか?


いないと言ったらどういう反応するんだろう?

いると言ったらどういう反応をするんだろう?