「―――りお」
奏さんが車から身を起こしてわたしの方へ近づいてくる。
真っ白になったわたしの頭の中はなんで奏さんがここにいるのかわからなくて…パニックを起こしてる。
「りお。」
ビクッ
「りお、悪いが…おまえの後をつけさせてもらった」
「…つけて、きた?」
「俺に何か言いたいことがあるだろう?」
「!」
もしかして。
もしかして。
奏さんはわたしがここに来ることを知ってた?
わたしの体調の変化に気づいていたの?
もしかして、
わたしがもしかしたらって悩んでいたこともすべて気づいていたの?
知っていたの?
わたしの目の前に立ち、奏さんのきれいな指がわたしの顎を上げさせた。
「―――俺のガキがおまえの腹ん中にいるんだろう?」



