若恋【完】




―――今、なんて?




なんて言ったの?





「前回生理があったのはいつ?」

「…10月半ばです」

震えてくる。
指先が一気に冷たくなる。そんなわたしを先生は優しく見つめてる。

「…そう、今は12月過ぎよね。生理が遅れてるだけにしてはおかしいでしょう」

「………」

「覚えはあるのよね?」

「………」


俯く。
覚えならある。

生理が不順なわたしに安全日なんてものはない。

一度でも内に出たならその可能性はある。

「覚えがあるのね?だったら話しは早いわ。人間て生き物は妊娠すると体温がいつもよりも若干上がるの。わたしの患者さんの中にも最初は風邪を引いたかなって思ってここへ来る人がいるわ」

寒気がして、そしてつわりが来て、産婦人科へ。



「…わたし、」

「あ。誤解しないでね。わたしはさっき言った通り、産婦人科の医者じゃないの。ただお腹のエコーを見たら妊娠してないひとより確かに子宮は大きくなってるんじゃないかなって思っただけなの」