若恋【完】



「お嬢さん、どうぞ。診察室の方へいらしてください」

「はい」


診察室の中に入ると、四十歳くらいのとてもきれいな先生がひとつひとつ問診してくのを、わたしは寒気を堪えながら答えた。


「熱は37度6分。…はい、胸をちょっと見せてくださいね」

難しい顔をして心臓の音を聞いて。

そして、寝台にわたしを横にしてお腹下の方に透明なジェル状の液体を塗り、
「これはお腹の中を診る機械なのよ」
って、マイクみたいなものでお腹をするりするりと撫でた。


わたしと先生の間にあるモニターを見ながら、マイクを動かしたり止めたり…


あんまり難しい顔でマジマジとモニターを覗くものだから、ただの風邪なんじゃないのかしらって心配になった。

「…ただの風邪ですよね?」

「………」

「…それとも胃腸炎ですか?」

「………」

先生が反応を示さないから不安はどんどん大きくなる。

寒気と熱があるくらいだけどなんかお腹も痛くなってきてるような気がした。