ゴツイふたりに案内されて重い扉を開くとそこは広い応接室みたいな感じで、一番奥のひとり掛けソファーには人影が。

逆光でよく見えない。



「よくきたね、榊。あ、そちらのお嬢さんは確か…」

「りおです。天宮りお」

「なかなか気丈なお嬢さんなようだね。この前はうちの若いものが学校前で勝手をしたようで悪かったね。よく言い聞かせておいたよ」


キイ

ソファーから立ち上がって静かに歩いてくるひと…


え?奏さんに似てる…
声も奏さんに似てる…
髪型だけ違う感じで。



「奏、さんに、」

思わず呟いた。


「ああ、世の中には似てるひとがたくさんいるものだね。前から似てると噂には聞いていたけど本人を見て、ああなるほどって納得したよ」


「若はいまどちらに?」


驚いてたわたしの前で厳しいながらも静かに榊さんが遮った。