それに気付くなつ。

「たっくん…?」


「あ?」


素っ気なーく、不機嫌そうにしか返事が出来ない。

情けな。


「怒って……」

「ねーよ」


多分、‘怒ってる?’って聞こうとしたんだろうな。


「こら、拓磨。
泣き虫なつが泣いちゃうよー?」


冗談ぽく言って、なつをぎゅーっと後ろから抱き締めながら頭を撫でる高野。


「ちょ、泣かないし!
ぎゅうしちゃだめ!」


高野触んな、なつは俺のだ。

そしてなつ、お前は笑って嫌がるな。
ダメならハッキリ言わないとダメじゃねーか。