ほかの4匹はチョロチョロと
動き回ってるけれど、
その子だけは、じっとこちらを
向いている。
5匹の中で一番体が小さくて、
黒色。
「…この子にする。」
ゆっくりとその子を抱き上げた。
大人しくて、
吠えもしない。
ただとても短いしっぽだけを
ふりふりとゆらしてる。
「かわいいね。その子でいいの?」
「うん。この子でいい。この子がいいの」
「海輝ちゃん、その子は末っ子で、
一番生まれてくるのの時間がかかったの。
弱々しくて、立つのも一番遅かったの。
でも、この子が一番努力して
ほかの子みたいに強くなろうとしてる。
きっと、その子が一番たくましく
育つと思うわ。」
“その子は末っ子で、一番生まれてくるのに…”
やっぱり、
聞いたことあるセリフだ!!



![[詩] 花言葉(超短編)](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.773/img/book/genre13.png)