無口でクールな転校生。

なのになんで、こんな胸が苦しいんだ…？



黒々としたモヤモヤが心を支配する。



俺はなぜかモヤモヤする胸の中を晴らすために、廊下の窓を開けて外を眺めていた。



すると、後ろから足跡がして…


俺の後ろでピタリと止んだ。




振り向くと、そこにはたった今登校してきた夏希が立っていた。



「な、なんだ夏希か…」



俺はまた窓の外に視線を移す。



「“なんだ”って…誰だと思ったの？」



後ろからの夏希の鋭い質問に、俺は言葉を失う。



誰って……。