無口でクールな転校生。

「いません。」



そんな変な質問にも少しも動揺を見せず、またしても冷たい口調で答えた。




「それより先生、あたしの席どこですか?」



笹本さんは初めて、先生に顔を向けた。



「あ、えーとね…滝沢(たきざわ)くんの隣かな?」




先生が指差す先は、俺。



え、隣?



確かに、俺の隣は空いてるけど……。



まさかあの冷たい女がくるのか…?



「わかりました。ありがとうございます」



笹本さんは先生にお礼を言うと、スタスタと俺の隣の席へ来て座った。