「ちょ、」

私が怒ろうとした時に、水菜が私に長い深いキスをしてきた。

「ん・・・」

「あら~水菜のやきもちやきさん!」

お姉ちゃんはにやにやしながら言うけど、
水菜はすっごい怒った顔をしている。

「なあ、悠。
あいつ、何?」

「え?
あ、同じクラスの永川一弥って子。」

水菜の怖い顔に怒るにも怒れなかった。

「お前、そいつに告られたわけ?」

本当に水菜が怖くて、声が出なかった。
すると、さっきまで笑っていたお姉ちゃんがため息をついて

「水菜、悠怖がってるよ。
それくらいにしときな。」

「あっ、つい・・・
ごめんな、悠。怖かったろ。」

水菜は、私の知ってる優しい水菜にもどっていた。
お姉ちゃんは、苦笑いをして「水菜はいつもからこんなんだから」と言い
用事があるからと、部屋を出て行った。

「え?お姉ちゃん!」

私は水菜と2人きりはちょっと照れくさかったので、
お姉ちゃんがいないと話しにくい。
でも、水菜は全然そんな感じではなく、さっきのことを根にもってるようで

「な、悠。
さっきはマジでごめんな。」

「いいって!
それに、なんかちょっと嬉しかったし。」

「え?なんで?」

きょとんとした顔で聞いてくる。

「水菜が怒ったのって、
一弥が私に告ってるって知ったからでしょ?」

「うん、そうだけど・・。」

水菜は、それが何?とでも言いたそうだった。

「私はそれがうれしい。」

「はぁ?」

訳分かんないと顔をしかめた。

「だから、私は、
水菜がやきもちやいてくれた事が嬉しいの!」

「それって・・・」

水菜が何か言いかけたところでドアがノックされた。

「悠?そろそろ帰るよ。」

お母さんがドアの外から言う。
私は「うん。」と返事をして、帰る準備をした。
そして、部屋を出ようとした所で
今まで黙っていた水菜が口を開いた。

「な、悠。俺と付き合わない?」

「は?」

私がびっくりして水菜の方を振り返ると
水菜は笑顔でこっちを見ていた。

「じゃ、考えとけよ!」

そうゆうと、水菜は部屋を出てった。
私はあわてて水菜を追いかけた。

玄関で靴を履いて

「じゃ、また。」

お母さんが笑顔でそうゆうと
お父さんは、お母さんの腕を引っ張ってキスをした。

「え?なになに?
そういうのありなの?」

水菜はニヤけながらそう言うと
私の腕を引っ張り、キスをした。
唇が離れると私は水菜に文句を言った。

「ちょ、水菜。
皆見てる前で何してんの!」

すると、お母さんとお父さんは笑って

「水菜くんは本当に悠の事が好きなのね~」

「悠、水菜をよろしくな!
水菜、幸せにしてやれよ。」

水菜も笑いながら「当たり前じゃん」と言っていた。