「だれ?」
「菜瑠君。
水菜に伝えてって。」
「なんて!?」
それから、菜瑠君に言われた事を水菜に伝えた。
「ちょっと!
任務って何よ?」
「姉ちゃん、うるさい。
それより・・・」
水菜の表情が変わる。
「あいつ、何で悠の番号知ってんだぁ?
おい!悠、今すぐ携帯変えろ!」
「水菜、言いすぎ!
悠だって困るでしょ!?」
ぷるるるるるー
また私の携帯がなった。
「もしもし?」
水菜の顔が怖いのを無視して、電話にでる。
「俺、永川。」
「あっ。一弥?
どおしたの?」
電話の相手は、同じクラスの永川一弥。
ここだけの話、このまえコクられた。
「今日休んでたから、俺のせいだったら悪いなと思ってさ。」
「違うよ!
今日は用事があっただけ。」
「なら、よかった。
ついでにさ、この前の返事聞かせて?」
水菜が険しい顔になる。
多分一弥の声が聞こえているのだろう。
ちょっとだまりこんでいると
菜々姉ちゃんが携帯をとりあげた。
「もしもし?
悠の姉です。
悠がちょっと母に呼ばれて、電話できないのでかわりました。
あなた、悠が好きなの?」
一弥はちょっと緊張した様子で
「あっ悠のお姉ちゃん・・
って、あれ?
悠、姉ちゃんとかいませんよね?」
とうとう水菜が切れた。
お姉ちゃんから携帯をとりあげ
「てめぇ、黙って聞いてりゃぁ・・
お前、悠の何知ってんの?
なぁんにも知らないおめぇには悠は渡せねぇ。
さっさと失せろ!」
一弥の返事も聞かず、電話を切ってしまった。

