「お母さんがね、再婚するの。それで、ね」
そう教えると一弥は少し意味ありげな顔をして
「そっか、他にはいるのか?」
「うん。同い年の男の子だよ~」
「ふぅん?いいやつなのか?」
「うん。めちゃくちゃ」
私はすごく笑顔で答えた。
それから、一弥は水菜達の事すごく聞いてきた。
もちろん、すべて褒める感じで答えたけど。
「な、最後に一つ。
あいつ、悠の事好きなのか?」
「え?なんで?」
私はびくびくしながら答えた。
どうか、ばれませんように・・・
「前に電話した時、あいつすっげぇ怒ってたじゃん?
だから、もしかしたらそうなのかなって」
「あれは、その前からイライラしてて
それを一弥にぶつけただけだよ。ごめんね」
「いいけど。
なら、安心だな。悠とられる可能性、なくなったし!」
その時、ちょうどチャイムがなる。
「ほら、チャイムなったから。もう終わり」
そういうと一弥はしぶしぶ前を向き、先生の話を黙って聞いていた。
それを確認して、私は大きなため息をついた。
それからの休み時間や授業の間に
獅子団について探りを入れてみた。
でも、分かったことは私と同じ2年生ってことだけ。
情けない・・。
でも、諦めるのはまだ早い。
私の学年は3クラスしかない。
その中から探すのはそう難しくはないだろう。
よし、明日も頑張ってみよう!

