私と水菜が付き合う、か。

さっきお母さんが言った言葉がずっと耳に残ってる。
私と水菜はまだ兄弟じゃない。家族じゃない。
だから、恋愛しようが何しようが関係ない。
分かってる。
水菜は私の事が好き。
じゃあ、私は?
私は水菜の事好きなの?
分からない。
水菜の事は、もちろん好き。
でも、それが恋愛として好きなのかが分からない。
私は水菜を男として見ているのか、分からない。
恋愛ってこんなに難しいものなんだ。

そんな時、携帯がなった。
誰?
画面に表示されていたのは、菜留の文字。

「もしもし・・?」

「あ、悠さんですか?」

元気で明るい声。

「うん。どうかした?」

「あ、獅子団って覚えてます?」

「もちろん。水菜達と戦ったんでしょ?」

「はい、それでその中に獅子団のボスはいなかったんですよ。
戦う前から逃げてたらしくて」

逃げてた?
あんなに強い獅子団のボスが?

あれ?でも、この前・・

「ちょっと待って、菜瑠君。
この前、菜々姉ちゃんは一番偉いやつを子分にするって言ってたよね?」

「はい、そうなんですけど。
菜々さんが子分にしたのは、ボスの代わりのやつ。
そこそこ強いですけど、本物ではないですよ」

身代わり・・・

「そっか。意味わかんないね、そいつ」

「そうですね。
で、そのボスなんスけど・・
悠さんの学校に通ってるって噂があって。
だから、気をつけておいてください。
なるべく早く見つけ出すんで」

「うん。ありがとう」

「それじゃ、おやすみなさい。」

「うん、おやすみ。」

そう言って電話を切る。

ふぅー・・・
今日はいろいろありすぎて疲れたな。

そのままベットへ倒れ、目を閉じ深い眠りについた。