−ドスッ−− 鈍い音が聞こえた様な気がした。 花嫁の背中にシースナイフが突き立てられていた。 −なに?!!− チャペル内がほんの一瞬、静けさに包まれた。 そしてすぐに誰のものともわからない悲鳴が上がった。 花嫁は驚き、一瞬後ろを振り返ったところを背中から抜き取ったナイフでまた一撃。 私の獲物をよくも!! ギリギリと歯ぎしりしたくなるのを抑え、花嫁に抱き着くようにし、ナイフを突き立てる女を凝視した。 参列者達は、悲鳴を上げたり、その場にへたり込んだり、出口に走るものまでいた。