ちぐはぐ遠距離恋愛




「とにかく!男装なんてしないからね!男子の前でなんて言語道断です!!」

あたしはグッと力を込めてそう言いきった。


「ちぇ…つまんないの」


あたしの言葉に舞が体をずらした。


「つまんなくない!」


舞に向かって喝をいれる



そんな数秒後―――

ずっと黙っていた奈緒美が口をあけた。



「……ねぇ、真白」

「んー?」


振り向いて、この時初めてずっと奈緒美があたしを見つめていたことをしった。


「な…何」



「あのさ」


奈緒美がニヤリと笑う。



(怪しい……)


そう思ったときだった。




「……恋、してるでしょ」




「…………………」




一瞬、椅子から転げ落ちそうになった。

落ちなかったことに一安心していたけど……。



実際、今はそんなことしてられない。


今まで、あいつに知られまいと特定の人にだけ教えておいて。


あとは誰にもわからないように生活することに集中してきた。


だけど………


奈緒美に、



気づかれちゃったんだ……。