それから高杉先輩はあたしを見つけると、毎回毎回声をかけてきた。
「真白ちゃん」
「先輩…?」
今日は珍しく教室まで来た先輩。
奈緒美達のキラキラした視線を背中でうけながらあたしは先輩の元へ。
「相変わらずかわいいね?」
「……っ?!」
クスクスと笑う先輩。
しかも、あれからずっと『真白ちゃん』だ。
呆れて踵を返しながら口を動かした。
「冷やかしなら、お断りだって言ってますっ!」
そんなあたしをまたも嬉しそうな顔をして止めた。
「地図帳、持ってない?」
「地図帳?持ってますけど…」
「貸して?」
また子供のような顔をした先輩に、少しばかり恥ずかしくなってしまった。
だから「持ってきます」と言いながら急いで目をそらしロッカーに向かった。
地図帳を取り出し先輩へ。
「ありがとう」
そう言いながら、あたしの頭に手を置いた。
その瞬間、胸が上に上がった。
息が、つまる―――。
「また返しにくるから」
「あ…はい」
背が高い先輩は目立つし、今の時期に二年の廊かを三年が通ることもあまりない。
先輩は注目されながら戻って行った。
「はぁ…。疲れた」
「真白!今の、高杉先輩でしょ?!」
奈緒美、だけじゃなく女子が集まってきた。
「何であんな仲良いの?」
「まさか、付き合ってる?」
「カッコイイ…。高杉先輩」
「どういうことー?」
「え?は?何?」

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