あたしの声なんて聞こえているわけもなく…。
「あ、村野!」
廊下にいた……諒太に声をかけた。
「ち、ちょっと待った!」
あたしは机をバンっと叩いた。
そして三人をズルズル引き戻そうとする。
「何?」
「え?」
顔をあげると諒太が質問してきた。
「今の、何言おうとしてた?」
「や…なんも――「あのさ、次の日曜日遊ばない?」
(ば……馬鹿!!)
「日曜…?」
奈緒美に聞き返した諒太。
「違っ…なんもない!」
あたしが慌てて否定しようとした……
その瞬間。
何ヶ月ぶりかに、目があった。
顔にかあーと熱があがる。
「っ………!」
何も言えなくなるあたし。
「詳しくは後でメールするわ」
依弥がそう言ったのを聞いて、今度は逆にあたしが三人に引きずられた。
「何でそんなに嫌なの?」
「だって…男子じゃないもん」
「言葉遣いだって、話の内容だって男子とあうじゃん」
「でも…嫌」
そんなあたしに、舞が「嫌だって…かわいい!!」とはしゃぐ。
(かわいいとか、男っぽいとか、どっちだよ)
そう思いながら首を振る。

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