ちぐはぐ遠距離恋愛




「なんかムカつく…」

「えぇ?!ごめんねっ」


頬を膨らませた奈緒美にあたしは謝った。

正直、奈緒美は怒ると怖い…。
というか、めんどくさい…。

でも…


「仕方ないなぁ!ハッピーターン一袋ね」


すぐに笑顔になった奈緒美。



(よかった……)



「承知しましたよ…お嬢さん」

「「「ぶは!!何それ〜!!」」」



あたしの言葉に笑った三人。


「真白ってそこらの男子より全然男らしいよね」

「え〜?」

「確かに、顔は可愛いのに性格は男っぽい」


依弥と奈緒美に続いて舞が一言。


「男装が似合いそうだね!!」



(………おいおい)



「それはない…っ」



必死に否定するあたしに依弥がまんざらでもなさそうに言った。



「させて…みる?」

「……はぁ!?」

「いいねぇ!」


舞がまた嬉しそうに言った。


「ちょ…っ」

「ハッピーターンじゃなくて男装してきてよ」

「その長い髪はウイッグで隠せるし…」

「ママの会社から良い服持ってくる!」


舞のお母さんが洋服店を経営していることを恨んだ。


「じゃあ、今度の日曜は?」

「この三人だけじゃつまらないからみんなで遊ぼうよ」

「男子も誘おう!」



(…はい?!男子って…ちょっとそれは…)