ちぐはぐ遠距離恋愛







この発音、この音……。
思い出すのにあまり時間はかからなかった。

別れ際、父さんが言った言葉…。


『願いつづければ叶う』


モニターはそう表示した。


『この言葉を信じなさい。そうすれば未来は一つに重なるでしょう』

「Il vient vrai certainement si je continue prier」


サンタクロースのお姉さんまでもが発音しだす。

あたしと目が合うと天使のような微笑みを浮かべた。


「フランス語ですよ?……願いつづければ叶うという意味のね」

「フランス語…」

「それでは、ハッピーメリークリスマース!」


シャランシャランとベルが鳴らされた。

あたしの体はグッと横に連れ出される。


「…む、…村野?」


ツリーの前にもう一度来た。

ただ、何かが違う。
さっきとは明らかに、何かが―――



「大野」

「なに?」

「お前は、あれ信じるか?」

「あれ?」

「診断」


『相性度は99%』

その文字が頭の中を突き抜けた。

あたしは、信じていいのかわからないのが本音――

でも、信じて傷つくなら…


「信じないよ…っ、あんなの…っ」


あたしは自分を守る。


「もしも俺が信じたら?」

「はっ?」


諒太が信じたら……?

そうしたらあたしだって信じたい。

だけど―――そんなわけないんでしょ?


「冗談言うなよ…っ。確かに本物ぽかったけど所詮占いだよ」


期待するだけ、――――損………。

その考えが頭に響いた途端、何かが引っ掛かった。


『願いつづければ叶う』


“期待”と“願い”―――

父さんは、何て言ったんだっけ??