諒太の歩みが止まって、あたしは上を見上げた。
そこには、何万こものライトがつけられた大きいツリーがそびえ立っていた。
色とりどりのそれはあたしたちの視界を一瞬にして彩る。
息を飲むのにも、十分だった。
思考も一緒に止まるため、あたしはさっきのことを忘れてただ目の前の幻想を見つめる。
「見に来てよかった…」
智春さんには感謝をしなければならない。
興味がなかったのは事実だったが、現にあたしはもう取り憑かれたようにその場から動きたくなかった。
「……なぁ」
ふいに、隣から呼び掛けられる。
あたしは横を向いてそれに応じた。
「あっちにもなんかあるらしいけど…」
そう言った諒太の先には、もう一つの人だかりができていた。
それはこいつの興味を引いたらしく、あたしの返事も聞かずに歩きだした。
その先には何があるかわからないが、二列の列ができていた。
流れに流されてあたしたちは並ぶ。
「……ねぇ、抜けない?」
「は?ここまで並んだのにか?」
そうは言われても、抜けたい理由は簡単だった。
前を見ても、後ろを見ても…。
カップルしか並んでいない。
二列で並んでいたのにもこれで合点がいった。
「たぶん、あたしたちには合わないんだよ」
「何言ってんだよ。もう次の次の次くらいだ」
「………あたしと村野でやるべきものじゃないんだよ…」
「は?なん「ではお次の組どうぞー」
そうこうしているうちに、あたしたちが列の先頭になっていた。
サンタクロースの格好をしたお姉さんが、あたしたちのお腹の位置くらいにある画像モニターを指して説明をし始める。

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