ちぐはぐ遠距離恋愛




家を三人で出た。

鍋やお皿を持った凌と母さんは先に行く。
あたしは戸締まりなどをしっかり確認してから、最後に歩き始めた。

マンションを出発して2分。
目の前の一軒家が諒太の家だ。

インターホンを押して出てきたのはチロルを抱えた将ちゃん。


「メリークリスマス真白ちゃん」

「メリークリスマス、将ちゃん」


笑いながら挨拶を交わし、久しぶりにその中に足を踏み込んだ。

チロルが将ちゃんから抜け出しあたしに駆け寄る。


「お前も大きくなったなー!!」


わしゃわしゃと頭を撫でた後、チロルを抱き抱えてリビングへ。

キッチンには早速、母さんと智春さんが立っていた。

身長の高い嘉一さんはクリスマスツリーを飾り付けていた。


「あれ、凌は?」

「諒太の部屋…」


ムスッとした声で母さんが言った。

あたしは納得して智春さんとケーキを作り始めるためにキッチンに立った。

作業をしながら、智春さんが思い出したように言った。


「そういえば、駅前でイルミネーションがやってるんだって」

「ふーん」


興味なさそうに答えたあたしに母さんがため息をつく。

智春さんはあたしの顔を見た。


「後で見に行ってきなよ」

「えー、いいよ」

「今年は例年以上らしいよ?」

「そうなんだ……」

「ね、行ってきなよ!きっと凄いよ?」

「うん…でも誰と?」

「諒太と」


あたしは生地をこねる手を止めた。

(あいつとイルミネーション?)

そんやカップルぽい行動できないし、


「あいつが一緒に言ってくれるわけないでしょ」


これが一番の問題点だ。

智春さんはつまらなそうに口を尖らす。

そしてとんでもないことを言い出した。


「じゃあ将太と行ってくれば?」

「は?!」

「あーいいねそれ」


将ちゃんも話に入ってきた。

そして結局、あたしの意見はことごとく無視され、暗くなったらあたしと将ちゃんで見に行くことに…。