ちぐはぐ遠距離恋愛




夢が醒めたように気分が悪い。

あたしの表情を見て、父さんも師範も、先輩も慎汰も奈々も知葉さんも……、
切ない顔で見つめた。

体中が重くて、動きそうにない。

首を振ることさえも忘れたように機能しなくて、椅子に座ったまま父さんを見上げる。


「んな顔すんなよ…っ」

「いっ…!!」


あたしの額にデコピンをし、笑った。

額をさするあたしの手を引き立たせる。


「帰るぞ」

「………」

「また会えるから」

「また、っていつ?」

「いつかだ」

「いつかって何?」

「いつかはいつか」

「いつ来るの?」

「生きてりゃ来る」

「嘘つき」

「俺が嘘ついたことはない」

「信じられない」

「信じろよ!」

「嫌だよ!!」


父さんの口が閉じた。


「今ここで信じたら、いつも期待して気疲れしちゃうよ……」


“期待”という言葉に、あたしはどれだけ振り回されたのだろう。

結局、自分を傷つけて陥れただけだった。

そんなの、もう味わいたくない。


「父さんと離れたくなんか、ないのに…っ」


どうしてこうなんだろう。
何で母さんと父さんは離婚したのだろう。
父さんの何がいけなかった?

あたしにはわからなすぎて、理解できない。

何もかも、足りない………。


「毎日とは言わないけど、せめて一週間に一回くらいは会いたいのに…」

「…………」

「二年過ぎてるんだよ?どうしてあたしたちは一緒に住んじゃいけないの?」

「真白…」

「そんなの不公平だよ!!あたしのことはあたしたで決めたいのに、何で勝手に行動したの?!」


そう考えると、世の中なんて嫌いだ。

母さんも、父さんも…諒太も神様も…

みんな自分のことばっかりで、周りのことなんてこれっぽっちも考えてない。