―――数日後
「先輩、ありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそありがとう」
お互い顔を上げて、笑いあった。
今日は先輩たちの引退日。
といっても、受験が終わればまた戻ってくるのだけど…
やつぱりその間の数ヶ月間は大変だと思う。
今の三年生は上手いが、それに比べるとあたしたちはダメダメで――
ため息をついて練習する日々が続きそうだ。
「真白ちゃん、本当にお世話になりました」
「えっ?」
「コウをちゃんとフッたんだって?」
「あ、はい…聞いたんですね」
「うん…だけど、そんなに落ち込んではいなかったよ?」
「そうですか!」
高杉先輩は、帰り道でも笑顔しか見せなかった。
それが本心だったのかはあたしにはわからなくて、
もしかしたらあたしといる間は無理をしているんじゃないかと思っていたんだ。
「そうだ真白ちゃん」
「何ですか?」
「リボンとボタン、いる?」
先輩はそう言ってリボンを指で触った。
あたしはそれをみた瞬間目を輝かせる。
「欲しいです!」
あまりのいい返事に先輩は笑って頷いた。
「絶対に真白ちゃんにあげるね!ボタンはどれがいい?」
「第ニですかね?」
「ふふ、あたし村野くんじゃないよ?」
「なっ?!違いますよ!!あんなやつのいらないです!」
「素直じゃないなぁ」
先輩は可愛く口を尖らした。
楽しくお別れ会をして、先輩たちはこの日、
受験勉強に精をいれるために仮引退をした。
あたしたちも、もうすぐ三年生。
“諒太”を好きになって、
十年目が終わろうとしていた……。

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