分かってはいても、元気にはなれなかった。
(これだから雨は嫌なんだ)
昇降口の外に見えた雨を睨みつける。
「ほら、行くよー?」
重たい体を優香子にぐっと引きずられた。
昇降口を出ると、寒さが体を包んだ。
「寒いの上に雨だなんて最悪…っ」
体を両手で抱えて彩夏の傘に入った。
てくてくと歩き続ける。
ふと、右を向いた。
(あっ…!!)
彩夏の右肩が、傘からはみ出て濡れている。
あたしは慌てて傘を彩夏側に倒した。
「ごめん、彩夏濡れてたねっ!」
代わりに、あたしの左側は冷たい雨が降り懸かった。
それでも、こんなのはどうでもいい。
彩夏の方が大切だ。
「あたし…走って先帰る!」
「えっ?」
「そっちの方が彩夏も濡れないし、あたしも早く帰れるからさ!」
そう伝えると、あたしは彩夏たちの返事さえも聞かず走り出す。
最近の体育はマット運動だったから、体も鈍っていた。
(ちょうどいいや)
鞄がうざったいけれど、仕方ない。
雨のなか一人走り抜けた。
しかし………
ザーーッ!!!!!
「っ!」
雨は台風なみに強く落ちはじめてきた。
仕方なく、そばにあった店の軒下に駆け込む。
「あぁーあ、びしょびしょ」
いくら走ったからといえ、さすがに服は水分を含みきっていた。

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